大腸の主な検査方法
大腸がん検診で一般的に行われているのが便潜血検査です。便潜血検査で陽性になった場合に、精密検査が受けることが必要となります。大腸内視鏡検査や大腸CT検査など、現在国内で実施されている大腸の検査方法を以下にまとめています。医師に相談の上、最適なものを選ぶようにしましょう。
便潜血検査
がん、ポリープ、潰瘍、炎症性腸炎、痔などの病変があると、便に血が混じっている場合があります。便の中に混じっている血液を試薬で調査するのが便潜血検査です。
メリット
■便の採取だけで済むため簡単■身体に負担がかからない
■比較的安価で受けることができる
デメリット
■大腸がんにかかっていても陽性にならない場合がある大腸内視鏡検査
肛門から内視鏡ファイバーを挿入し、大腸を内部から観察する検査です。
メリット
■大腸粘膜を直接観察できる■異常部位を詳細に観察できる
■ポリープなどの病変切除や組織採取もできる
デメリット
■肛門からの挿入に精神的負担を感じることがある■医師の技術や大腸の形状(長さや曲がり具合など)で挿入時の痛みの度合いや検査精度が左右される場合がある
大腸CT 検査
肛門からガスを注入し、大腸を膨らませてCT 撮影する検査です。
メリット
■痛みがほぼない■様々な角度から観察できる
■検査時間が数十分程度(個人差がある)
デメリット
■ポリープなどの病変切除や組織採取ができない■検査時に被ばくを伴う
■平坦な病変を検出しにくい場合がある
大腸X 線バリウム検査
肛門から造影剤を注入し、空気を注入して大腸を膨らませてレントゲンで撮影する検査です。
メリット
■痛みがほぼない■病変部位の特定に有用
■手術歴などによる癒着によって大腸内視鏡ができない場合に有用
デメリット
■ポリープなどの病変切除や組織採取ができない■検査時に被ばくを伴う
■平坦な病変を検出しにくい場合がある
大腸カプセル内視鏡検査
カプセル型の内視鏡を口から飲み込んで行う検査です。
メリット
■「こわい」「恥ずかしい」などの精神的負担がほとんどない■放射線被ばくのリスクがない
■大腸内視鏡検査が施行困難で、過去に全大腸の検査が受けられなかった方なども検査が行える場合がある(この場合は保険適用)
デメリット
■ポリープなどの病変切除や組織採取ができない■前処置の後も検査中も下剤を飲む必要がある
■検査時間が長い(3-10時間で個人差があるが平均5-6時間)