小腸のしくみと働き 小腸のしくみと働き

知ってほしい「小腸」のこと

あなたは「小腸」のこと、どれくらい知っていますか?
胃や大腸にくらべると、地味な存在ですが、
「小腸」は食物の栄養分のほとんどを吸収する、本当はとてもたいせつな消化器官。
しかし、その特殊な形状や位置ゆえに今日までもっとも解明が進まなかった臓器でもあります。
そのため小腸の病気で苦しんでいる方はもちろん、そうと気づかずに過ごしている方も大勢いらっしゃいます。
そんな「小腸」のこと、小腸の病気のことを少しでも多くの方に知っていただくために
できるだけわかりやすく解説をしました。
どうぞ「小腸」のたいせつさを知って、あなたの健康管理に役立ててください。

「小腸」ってなに?

「小腸」ってなに?

「消化」と「吸収」を行う消化器官「小腸」

小腸は胃と大腸の間にあって、十二指腸、空腸、回腸を総称して「小腸」といいます。その全長はなんと6〜7メートルにもなるといわれます。また小腸の内側は輪状のひだになっており、その表面には数百万もの絨毛(じゅうもう)と呼ばれる指状の突起があり、表面積はテニスコート約2面分もあるというから驚くべき広さです。
それで効率的な吸収が助けられるのです。小腸は胃や肺、大腸など他の器官と比べるとなんだか馴染みのない存在ですが、食物を消化し、栄養分を吸収するという、わたしたちの毎日の生活にとても重要な役割をもっているのですね。

「小腸」の役割まとめ

  1. 食物を消化
    消化酵素を分泌し、アミノ酸やブドウ糖といった栄養素に分解する。
  2. 栄養を吸収
    消化された栄養分を小腸内壁から吸収する。
  3. 食物を大腸に運ぶ
    収縮運動を繰り返し、栄養分を吸収しながら残りを大腸に送る。

小腸に関するミニコラム〜「日本人は小腸が長い」はホント!?

皆さんは「日本人は欧米人にくらべて小腸が長い」という説を聞いたことがありますか?
こんな話がちまたではまことしやかに語られてきましたが、実際の比較データなど確かな情報源が存在しないことから、どうやらいわゆる“俗説”である可能性があるようです。
日本人は穀菜食民族なので繊維質などから効率的な栄養の吸収を行うために、肉食中心の欧米人とくらべて小腸が長いとでもいうのでしょうか?
もっともらしい話ではありますが、実際は個人差こそあれ、日本人と欧米人との間にそれほどの明確な差はないようです。
しかしそれはともかく、6〜7mの長さの小腸が私たちのおなかの中に収まっているということは事実であり、小腸についてより理解を深めて上手に付き合っていかなければならないかもしれませんね。