カプセル内視鏡とクローン病
小腸用カプセル内視鏡は、自然な状態で病変の直接観察が可能な、患者さんに優しいカプセル型の内視鏡です。
今までは、原因不明の消化管出血だけが保険適用で、狭窄が疑われるようなクローン病患者さんには使うことができませんでした。
しかしながら、2012年7月1日より適応が拡大され、クローン病などの小腸疾患患者さん、またはその疑いがある患者さんにも使用が可能となりました。すでに海外では、小腸疾患全般の診断はもとより、クローン病の粘膜の状態のモニタリングにも利用されています。
カプセル内視鏡検査をする前に、クローン病患者さんの場合は、事前に消化管開通性確認用カプセル(パテンシーカプセル)を使って、カプセル内視鏡が消化管を問題なく通過できるかどうかの確認を行う必要があります。カプセル内視鏡と同じサイズのパテンシーカプセルは、嚥下(えんげ)後30時間以降に溶け始める崩壊性のカプセルで、このパテンシーカプセルで消化管の開通性を評価します。
今までは、原因不明の消化管出血だけが保険適用で、狭窄が疑われるようなクローン病患者さんには使うことができませんでした。
しかしながら、2012年7月1日より適応が拡大され、クローン病などの小腸疾患患者さん、またはその疑いがある患者さんにも使用が可能となりました。すでに海外では、小腸疾患全般の診断はもとより、クローン病の粘膜の状態のモニタリングにも利用されています。
カプセル内視鏡検査をする前に、クローン病患者さんの場合は、事前に消化管開通性確認用カプセル(パテンシーカプセル)を使って、カプセル内視鏡が消化管を問題なく通過できるかどうかの確認を行う必要があります。カプセル内視鏡と同じサイズのパテンシーカプセルは、嚥下(えんげ)後30時間以降に溶け始める崩壊性のカプセルで、このパテンシーカプセルで消化管の開通性を評価します。
小腸用カプセル内視鏡の特徴
超小型カメラを内蔵した長さ約26mm、直径約11mmのカプセル内視鏡を適量の水で口から飲み込むだけで、消化管の内部を撮影できる、簡単で痛くない(非侵襲性)の検査法です。
毎秒2〜6枚撮影される腸管内画像は、腰に装着した記録装置(データレコーダ)に記録されます。
麻酔・鎮痛剤は不要で、放射線への被ばくもなく、バリウムなどの造影剤が不要で、検査中は検査施設を離れ日常生活が送れます(非拘束検査)。
消化管の狭窄(病気で消化管が狭くなっている)がある場合、または疑われる場合には、事前にパテンシーカプセルで消化管の開通性を確認します。
毎秒2〜6枚撮影される腸管内画像は、腰に装着した記録装置(データレコーダ)に記録されます。
麻酔・鎮痛剤は不要で、放射線への被ばくもなく、バリウムなどの造影剤が不要で、検査中は検査施設を離れ日常生活が送れます(非拘束検査)。
消化管の狭窄(病気で消化管が狭くなっている)がある場合、または疑われる場合には、事前にパテンシーカプセルで消化管の開通性を確認します。
通常の内視鏡検査では行える生検、狭窄拡張などの治療はできません。
飲むだけの使い捨てカプセル
カプセル内視鏡は、その名の通りカプセルの形をした内視鏡で、少し大きめの風邪薬を飲むようなイメージのものです。検査を受ける患者さんの負担が少なく、患者さんにとって受け入れやすい検査といえます。
検査に伴う痛み、入院の有無
カプセル内視鏡の最大の利点は、楽なことです。ファイバースコープを用いた通常の内視鏡検査では挿入時などに痛みや違和感が生じる心配がありますが、カプセル内視鏡で苦痛を伴うことはありません。胃や腸などの検査を行う場合、通常では空気を送り込みながら、しぼんだ状態の胃や腸を広げることで視野を確保します。一方、カプセル内視鏡では、胃や腸に空気を送り込まずに検査をするので、お腹が張らず、より通常に近い状態での検査が外来でもできます。カプセル内視鏡で検査を行う際には、じっと座っていることはおすすめできません。カプセルの進み具合が遅くなってしまうからです。むしろ普通の生活のように適度に動いたほうが良いでしょう。
小腸疾患を診断
検査の困難な小腸の部位に粘膜の異常所見があったとします。そのような場合にカプセル内視鏡を使うと、レントゲンでもわかりにくい小さな潰瘍や、びらんをみつけることができます。通常の内視鏡検査のように、検査を行う際に特別な技術は要しません。このように、担当医師にとっても非常にメリットのある検査方法といえます。一方で、検査画像の読影にはある程度の時間がかかり、画像から診断を下すにも、一定の経験を積むことが必要です。
また、カプセル内視鏡は狭窄のある患者さんに使用すると滞留を起こす可能性もあるので、消化管開通性確認用カプセル(パテンシーカプセル)を事前に飲んで開通性があるかどうかを確かめます。
また、カプセル内視鏡は狭窄のある患者さんに使用すると滞留を起こす可能性もあるので、消化管開通性確認用カプセル(パテンシーカプセル)を事前に飲んで開通性があるかどうかを確かめます。
検査前日
検査日前日の夕食は、消化の良い食事を摂って下さい。
検査前日の午後10時以降は、服薬に必要な少量の水以外は飲食しないでください。
検査前日の午後10時以降は、服薬に必要な少量の水以外は飲食しないでください。
検査当日
検査当日朝の朝食はお控えください。
-
上下分かれたゆったりとした服装で来院して下さい(センサーアレイを取り付けることから、上下別れた服装などが好ましいためです)。
検査の2時間前からは、基本的に薬も一切飲まないで下さい。
※但し、服薬について担当医師から別途指示があった場合は、それに従って下さい。 -
胸部と腹部にセンサーアレイを取り付けます。
-
記録装置(データレコーダ)が収納された専用ベルトを腰に装着します。
-
適量の水でカプセル内視鏡を飲み込んで下さい。(飲み込んだら、少なくとも2時間は物を食べたり飲んだりしないで下さい)
※但し、食事について担当医師から別途指示があった場合は、それに従って下さい。 -
カプセル内視鏡を飲み込んだ後は、日常の生活に戻ることができます。
(通過で痛みを感じることはありません)
検査開始2時間後からはお水、4時間後からは軽い食事を摂ることができます。
※但し、食事について担当医師から別途指示があった場合は、それに従って下さい。 -
検査中(カプセル内視鏡が体内で画像撮影を行っている)は記録装置(データレコーダ)のLEDが点滅しています。嚥下から約8時間経過した以降、記録装置のLEDの点滅が終了しているときは通常の食事を摂っても構いません(担当医師から特別な指示がある場合もあります)。
約8時間以降に検査が終了します。
検査終了後、検査機器(データレコーダ、センサーアレイ)を取り付けたままで検査施設に再来院して下さい。検査機器を取り外します(検査施設によっては、返却方法が異なる場合もあるので、担当医師にご確認下さい)。 -
通常、カプセル内視鏡は排便とともに体から自然に排出されます。
排出されたカプセルは所定の回収用の袋(収納用袋)に入れ、地方自治体や検査施設のルールに従い、適切に廃棄して下さい。
※2週間以上排出が確認できない場合は、腹部単純X線検査を行い、カプセル内視鏡が存在する時は適切な処置を行います。 -
検査終了後、それぞれの検査機器を取り外します。検査結果については、担当の医師から後日、説明を受けることになります。